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2025年04月01日 [横浜の通船・ラインボート ]
【イカVSタコ】スミの秘密と深海の変装術!?
はじめに
いつもポートサービスのブログを読んでくださり、ありがとうございます。毎週火曜日に更新しているブログですが、時にはアイデアに詰まることもあります。そんな時は、過去の人気記事からヒントをもらうようにしています。
そんなわけで😅今回は、2024年9月の人気記事『【潮の満ち引き】潮位の変化と自然の力〜魚が一番釣れるのは?〜』から着想を得て、食べて美味しい・釣って楽しい!イカとタコにまつわる興味深いエピソードを紹介します。

イカとタコって何が違うの?
イカやタコは軟体動物門に属する頭足類に分類されます。骨格がなく、軟体で、原始的な動物です。同じ頭足綱に属していますが、腕の数や形態などの違いがあり、イカは一般的に10本(8本の腕と2本の触腕)、タコは8本の腕を持っています。
ちなみに、オウムガイや絶滅したアンモナイトも頭足類の仲間。体は胴・頭・腕に分かれていて、腕も多数に分かれています。触角はありませんが、軟体動物の中でも特に目や神経系、筋肉が発達していて、運動能力に優れているという特徴があります。

スミの役割
さて、イカとタコの共通点といえば、長い腕の他にもスミを吐くという特徴が挙げられます。その役割は、主に敵から身を守るため。でも、スミの性質は少し違います。
イカのスミは粘度が高く、放出されると海中でイカ本体とほぼ同じ大きさの塊となります。このスミの塊はおとりとして機能し、敵の注意を逸らす効果があります。敵はスミの塊をイカと勘違いして、惑わされるというワケです。
一方、タコのスミはイカのように粘度が高くありません。海中に放出されると、素早く拡散してまるで煙幕のように周囲の視界を遮ります。これにより、敵の目から素早く姿を隠すことができます。

タコはタコでも…
昨今、『深海のアイドル』として人気を集めているのが、タコの一種のメンダコ。
さて、ここでクイズです。タコの仲間であるメンダコにないものといったら何でしょう?
正解は…『スミ袋』
タコなのにスミを吐かないなんて、驚きですよね。
メンダコは水深200mから1000m付近の深海に住んでいるため、スミを吐いても効果が低いと考えられます。その代わりに、体色を変化させて周囲の環境に溶け込み、敵から身を守ります。
巧妙なトリックでダミーを作り出して敵の目を惑わせるイカはマジシャン。煙幕のように広がるスミを吐き出して素早く姿を隠して逃げるタコは、忍者。そして、環境に溶け込んで敵の目をくらますメンダコは変装の達人といったところでしょうか。

おわりに
余談ですが、岸壁にスミの跡が残っていると、『イカが釣れているんだな』と釣り人のヒントになることがあります。前述の通り、イカが吐くスミは粘度が高く、付着すると落ちにくいのが特徴です。岸壁を汚したり、環境への悪影響を避けるため、マナーを守ってマリンレジャーを楽しみたいですね。
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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参考文献
Wikipedia 頭足類
農林水産省
Wikipedia イカ墨