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2024年04月23日 [横浜の通船・ラインボート ]
【海図】水深は航海の生命線!海の地図を知ろう@
はじめに
陸上に地図があるように、海の上にも地図があります。それが海図。
今回は航海に欠かせない海図を探っていきましょう🎵
海図とは?
陸上では地図がなくても建物や道路を目で確かめながら、目的地に行くことができますよね。では、海の上はどうでしょうか?
海の上では、陸上と違って、目で確かめられる情報は限られています。例えば、海の深さはどのくらいあるのか、海底に大きな岩はないか…など、目で確かめることはできません。
このように、目で確かめることが難しい情報が可視化されたものが、海の上の地図=海図です。
船や海に関わる生活をしていなければ、なかなか海図を見ることは少ないですよね。海図とは航海用の海図のほか、海底地形図、潮流図や海流図を指す場合がありますが、今回は航海用海図として説明していきます。
潮流:月と太陽の引力により、海水面が周期的に昇降する現象(潮汐)によって生じる、海水の流れのこと
海流:海の中には、海水が漂っている場所と流れている場所があり、「海流」は、海水が一定方向に流れている場所のこと
水深は海図の生命線
海図には、水深、底質、灯台や航路標識など、航海する上での目標物が描かれています。少し見にくいですが、写真の海図の中の小さな数字は何を指していると思いますか?
小さな数字が表しているのは、水深。水深は海図の生命線とも呼べる重要な役割を持ちます。喫水より浅い水深のところを船が進むと、座礁や転覆のおそれがあります。水深に余裕をもって航海することは安全運航の大前提です。
また、海底の地質や堆積物のことを底質といい、具体的には泥、砂、礫、岩などがあります。これは、錨(いかり)を下ろす際にとても重要な情報となります。
錨についてはこちらのブログも参考にどうぞ💁♀️⚓
東京湾の水深はどれくらい?
わたしたちポートサービスの交通船が活躍している東京湾を例に挙げてみましょう。
日本屈指の海の難所として知られている東京湾の入り口、浦賀水道。これまでのブログでも紹介しましたが、三浦半島と房総半島の最小幅6.5qの狭水道です。
ここの水深は、およそ20〜30m。では、さらに東京湾を北上してレインボーブリッジまで行くと…なんと水深は10mと浅くなっています。
水深ってどこからどこまで測っているの?
さて、前項で説明した水深ですが、どこを基準に測っているのでしょうか?
潮汐は時間によって変化するため、基準となる海面が設定されています。例えば、潮汐により横浜港では2.3mもの干満の差(高潮面と低潮面の高さの差)があります。また、日本海沿岸では20〜40pわずかなところもありますが、有明海奥部ではおよそ6mにも及びます。このように潮汐は地域によっても大きく異なります。
水深に余裕をもって航海することは安全運航の大前提ですから、海図の水深は潮汐により海面がそれ以上低くなることがほとんどない面(最低水面)を基準にしています。
また、大型船のように船の喫水が大きくなると、水深はより重要な情報となります。タンカーや貨物船などは船の積み荷の状況でも喫水が変わるため、自船の喫水の状況を把握し、目的地の潮汐を調べて運航を計画します。
喫水:船舶が浮かんでいる時の水面から船体最下部までの距離
おわりに
かつて、水深はロープの先に錘(おもり)を垂らして、計測地点一カ所一カ所を測っていたとか。現在では音波を用いて測定するため、精度の高い広域のデータが得られるようになったそうです。
今回は海図のなかでも水深に注目してきましたが、安全な運航にはまだまだ欠かせない要素がたくさんあります。海図については、今後のブログでも紹介していきたいと思います🎵
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
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