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推古天皇の時代から続く⁈墨出しとは【FRP造船】

はじめに



ポートサービスのYouTubeではパイロットボートができるまでの工程を追う『パイロットボートができるまで』シリーズを公開中です。前回の動画では、FRPの積層を終えて、型枠から取りはずされた船体をご紹介しました。まだ見ていない方は、こちらもどうぞ💁‍♀️『パイロットボートができるまで#5』#5サムネ 
今回は時間を少しさかのぼって、積層が終わった直後の工程、墨出しについて紹介します。


墨出しとは



船体積層が終わると、墨出しと呼ばれる作業が始まります。墨出しとは、簡単にいうと目印を付けることをいいます。建築に携わったことのある方なら、聞いたことがあるかもしれませんね。墨壺
古くは木で作られた墨壺が用いられていましたが、現在でもその構造はほとんど変わりません。
墨壺は木で作られた器具で壺の部分に墨を含んだ綿が入っています
@これに取り付けられた糸車から伸びた糸を張り
Aその先についたピンを材木に刺します
Bこの状態で糸をはじくと、材木上に直線を引くことができます


墨の付いた糸を引き出す▲@墨の付いた糸を張る
ピン▲A赤いところにピンが付いている
はじく▲Bピンを刺して糸をはじく

墨差し ▲墨差しは直線も文字も書ける
また、墨差しと呼ばれるペン状の道具は、短い直線を引く際に使われます。片方がヘラ、片方がペンのように尖っていて、文字などを書くことができます。


墨出しの歴史



墨出しの歴史は古く、古代エジプト時代から使われていたと言われています。なんと、日本では法隆寺に使われている最も古い木材に、墨壺を使って引いたと思われる墨線の跡があるそうです。法隆寺の創建年は607年※諸説あり と伝えられ、推古天皇の時代に遡ります。なんだかロマンがありますね🎵


船体に墨を打つ



さて、時代は戻って2023年の宮城県 志津川造船鉄工所での一コマです。サンディングで削られた船体表面に、直線が引かれているのが見えますか?サンディング船体 墨出しこれがです。
前述の道具を使って書かれた目印に合わせて、船体の骨格となる構造材隔壁が配置されます。

隔壁は船内を仕切る壁のことで、強度の向上や浸水時の水圧に耐える役割があります。船舶の安全性に欠かせない要素の一つです。隔壁


おわりに



今回は建築や造船の現場に欠かせない”墨出し”についてご紹介しました。余談ですが、現在では墨の代わりにペンが使われたり、墨壺・墨出しに変わって、レーザーの光を用いて水平や垂直など、施工の基準となる線を出せる精密測定工具もあるそうですよ😊
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

造船所の秘蔵映像が満載の動画も併せてご覧ください🎵次回のブログもお楽しみに〜

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