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船の本体 船殻づくり【船ってどうやって造られるの?#3】

はじめに


いつもポートサービスのブログを読んでくださり、ありがとうございます。これまで、『船ってどうやって造られるの?』というテーマで、FRP船の造船のプロセス、FRP材の特徴、型枠や船の設計図について紹介してきました。ふりかえりはこちらから
今回はいよいよ船の本体となる船殻について、造船所内の貴重写真とともに紹介します!


船の本体 船殻づくり


船の型枠が完成したら、本体積層の前にゲルコートを塗布する工程がはじまります。以前のブログでも紹介したとおり、ガラス繊維樹脂が硬化したFRPは半透明でガラス繊維が透けて見えるような状態。これでも悪くはありませんが、少々武骨な印象です。硬化したFRP
では、船の仕上がりをより美しくするには、どうすれば良いのでしょうか?
そこで登場するのがゲルコートと呼ばれるコーティング剤。これを型枠に塗布していきます。ゲルコート外観を整えるだけでなく、保護する役割もあります。

そして、驚きなのは、この工程で仕上がりのが決まるということ。『え、もう!?』とびっくりした方も多いのでは?赤い船なら、赤の顔料を混ぜて着色、黄色の船なら黄色の顔料を混ぜて着色するというわけです。鋼船だと最終工程である船体の塗装が、造船の早い段階に組み込まれるのはFRP船ならではですね。

こちらのゲルコート、漁船などの場合は白が多いそうで、実際に見学に行かせていただいた際も白の漁船がありました。
ゲルコート 白 
写真は船の本体ではなく、デッキの部分です。表面に見えている白い部分がゲルコート。型枠に入っている状態ではゲルコートは見えないので脱型という型枠から取り出す工程を経て、ようやく船の外観を見ることができます。(この工程は別の機会に紹介します🎵)


船殻(せんこく)の大切な役割とは?



船殻は、文字通り船体の外殻であり、外形を保ち、浮力を与えます。
その他にも☟

機関、艤装品の取付台となり、船に行動性と作業性を与える
    艤装:室内外の各種装備を、船体(船殻)に取り付ける工程 
船員、旅客の住居や貨物の格納場所となる

推進・抵抗の面から、最適水面下船型を維持する

荒れ海の波からの力を受け止め、恒久的にその作用を維持する

以上の重要な役割を担っています。船殻の故障や破損は船の安全性に直結するため、船体について船舶安全法で定められています。


船の骨格:内構造部材とは



船体に沿って配置される内構造部材は人でいうところの、。これらは、船の安定性強度を確保するためのものです。この内構造部材を作成した後に枠から抜かないと、歪みが生じてしまうそうです。
内構造部材 男性ガラス繊維と樹脂の複合素材FRP。内構造部材が作成された船殻は、男性が乗っても、びくともしない。


おわりに



船殻の製作を終えると、いよいよ型から取りはずす工程へと移り、船の外見が見えるようになります。ワクワクしますよね✨FRPは身近なものでは、ユニットバスや車のバンパー、バイクの外装パーツなど、耐久性が求められる構造物に幅広く利用されています🎵

今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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