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2024年01月30日 [安全に関して]

船の安全を守るために【法定備品と救助装置の重要性】

はじめに


突然ですがクイズです。

110番は、事件・事故などの緊急時に警察に通報するための緊急通報番号。
119番は、火事や救急・救助などの緊急時に消防へ助けを求めるための緊急通報番号。

では、118番は何の番号でしょうか?
いつもブログを読んでくれている方なら、すぐにわかりますよね😊118番に関するブログはこちらから採用
118番の正解は海上での事件・事故(海上保安)の緊急通報用電話番号

ちなみに、数字の並びにちなんで、1月18日は118番の日と定められ、海上保安庁により周知活動が行われています。そんなわけで、今回は船の安全にまつわるお話です。

命を守るための法定備品


船を安全に運行する上で、絶対に積載していないといけないもの=法定備品があります。
法定備品には、係船設備、救命設備、無線設備、消防設備、排水設備、航海用具及び一般備品があり、船の長さ航行区域などにより内容が異なります。ネプチューン救命浮環

救命浮環(きゅうめいふかん)

例えば、お客様や乗組員の生命を守るための救命設備として、救命浮環(写真上)があります。“船、浮き輪”の言葉から、このオレンジ色の救命浮環をイメージする方も多いのではないでしょうか。救命浮環1つで大人1名以上を支える浮力(7.5Kg以上)があります。

ライフジャケット

また、ライフジャケットも救命設備の一つ。ライフジャケットは、落水した際に体を浮かせて救助を待つための設備です。ポートサービスでは、ご乗船前に着用していただくことを義務付けています。

船に搭載された安全装備


では、船そのものにはどんな装備があるのでしょうか?
現在造船中のパイロットボートを例に見てみましょう😊
リフター

リフター

現在造船中のパイロットボートには、リフターと呼ばれる装置が取り付けられています。黄色い船尾の中央に取り付けられた銀色の装置がリフターです。これは落水者を速やかに救うための安全装置。

落水者の衣服は水を含み重たくなっているため、人の手で引き揚げることは非常に困難だといいます。この装置の場合は、メッシュの部分が90度開き、落水者を載せて安全に救助することができます。

ハイライト上の写真は海中落水者救助訓練に参加したときのものです。左下の写真は別の船舶のものですが、パイロットボートのリフターと類似する装置を使い、救助訓練が行われました。衣服を着たままの落水者が乗組員の連携によりスムーズに救出されました。

アンチローリングジャイロ

そして、以前にも紹介したことがあるアンチローリングジャイロは、船の横揺れを軽減する装置。船内での作業の安全性が向上します。過去のブログでも紹介しているので、ここではざっくり説明します☟

おもちゃのコマは傾いても回転力が働いて、まっすぐに立ち続けます。
それと同じように、パイロットボートに搭載されるアンチローリングジャイロも、高速で回転するジャイロスコープが横揺れに対して反応し、バランスを保ちます。
コマ
アンチローリングジャイロについては過去のブログも参考にしてみてください😊

防舷材

その他にも、船の外側に取り付けられる防舷材(ぼうげんざい)も、船の安全性を保つために欠かせない装備の一つです。

防舷材とは、船体や桟橋、岸壁が傷つかないようにするための保護材のこと。車でいうフェンダーの役割を果たします。防舷材 大さん橋
船や桟橋にタイヤが付けられていますよね?あれも防舷材です。接岸したり、他の船と接近する際に、双方の損傷を防ぐために用いられます。

パイロットボートの防舷材はこれから取付け予定です☟今後の動画で紹介する予定ですので、ぜひお楽しみに🎵防舷材

おわりに



冒頭でも触れた118番通報ですが、2020年の年間通報件数は約46万件。そのうち、なんと誤報が9割だそうです。その理由は118番の認知度の低さだとか。
ブログを最後まで読んでくれた皆様、海のお出掛けやレジャーで、いざというときに焦らないよう、海の「もしも」は118番 と覚えておいてくださいね😊

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