Blog
2022年06月16日 [安全に関して]
船の安全とは切っても切れない話【アンカーとロープ】
はじめに
いつもポートサービスのブログを読んでくださり、ありがとうございます。
最近の記事では船の安全を改めて考えるため、船舶の法定備品を紹介しています。そして、今回紹介するのは法定備品の中でも係船設備と呼ばれるものです。係船とは、船舶を港などにつなぎとめること。つまり、係船設備とはロープやアンカーのことを指しています。今回はイメージしすいものですね。まずは、ポートサービスで使っている係船設備を見ていきましょう😉
係船時に使うもの
係船ロープは、岸壁のビットや船舶のクリートなどに巻きとめて本船を係留するための設備です。小型船舶を係船する場合、ボートの大きさや係船場所、天候などに応じて、適切に係船ロープを使用する必要があります。
※ビットについてはこちらのブログでも紹介しているので、ぜひチェックしてみてください🎵
ロープは、常に安全荷重内で使用し、海面に垂らさないなど、常に乾燥するように心がけて使うことが求められています。
錨泊(びょうはく:アンカーをおろした状態)時に使うもの
この鋭利な物体がアンカーです。これがアンカーっ!?て感じしませんか?この爪が海底に引っかかって、力を発揮します。
アンカーのことを日本語ではいかりといいます。漢字で書くと、“碇”。その名の通り、昔は石を沈めて船を固定していました。もちろん、海中では浮力が働くため、石の重量は半分ほどになり、高い効果は期待できません。現在では、重量にプラスして、写真のような爪を海底に引っかけて船を停めています。また、爪を引っかけて船を保持する力が大きいほど性能の良いアンカーとされています。
アンカー、アンカーロープは、錨泊(いかりをおろした状態)時にその把駐力(はちゅうりょく)によって船を留めておくための設備です。
※はちゅうりょく:主に船舶で使用する 錨 が底質(岩などは除く)との間に生み出す 抵抗力のこと。
泥、岩場、海草等、海底の様子によって適したアンカーの種類が異なるため、海底に適したアンカーを選ぶことが大切です。釣りをやる方なら、岩場でつり針が引っかかってしまった!なんて経験があるのではないでしょうか。釣りをやっていても、岩場と砂地では針の掛かり具合が異なりますよね(ちょっと違うかな?💦)
確実なアンカリングのため、アンカーにチェーンを繋ぎ、これにアンカーロープを繋いで使用します。チェーンが長いほど把駐力が増します。
おわりに
いかがでしたか?アンカーと聞いてイメージするものとは、少し違ったという方も多いのではないでしょうか?(⚓←こういう方がなじみがありますね)
働く船の現場では、アンカーを設置・撤収するための作業船(揚錨船)も活躍しています。働く船に興味のある方は、ぜひポートサービス交通船部までご連絡ください💁♀️
公式Instagramでは交通船や横浜の魅力を発信中!
資料引用
アンカーの特徴と把駐力についてはこちらで詳しく解説されています💁♀️anchor.pdf
把駐力 - Wikipedia
揚錨船|一般社団法人 日本作業船協会