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2025年02月25日 [横浜の通船・ラインボート ]
【船の豆知識】トモとオモテとは?船の前後を表す言葉の由来
はじめに
いつもポートサービスのブログを読んでくださり、ありがとうございます。ポートサービスでは働く船の魅力をもっと多くの人に知ってほしい!という想いで、YouTubeを毎週金曜日に更新しています。動画では交通船の作業風景や船員が日常的に使うロープワークなどを公開中です。
さて、動画を見ていると船舶用語が使われていることがあります。よく耳にするのは、トモとオモテ。これ、何を意味していると思いますか?今回は船の世界でよく使われるトモとオモテという言葉について紹介します。

トモとオモテって何?
オモテは船の進行方向にある「前」、つまり船首を指します。
一方、トモは進行方向とは逆の「後ろ」、つまり船尾を意味します。この2つの言葉はセットで使われることが多く、トモ・オモテと呼ぶこともあります。
オモテ(艏・みよし)
オモテという言葉には、表側というニュアンスが含まれています。また、漢字では艏(みよし)とも書きますが、これは水を押す動作から来ているそうです。船は前面で水を押し分けながら進むため、この部分が表(オモテ)と呼ばれるようになったと言われています。
トモ(艫・とも)
トモは船尾が船首に伴う(ともなう)部分だから、そのように呼ばれるようになったと言われています。艫という漢字は中国語でも船尾を表し、古い時代からこの呼び名が使われていた可能性があります。
また、真後ろから吹く風のことを順風と言います。この風を受けて帆船が一直線に進む様子を、真艫(まとも)と表現したそうです。まじめさや駆け引きしない場面で使われるまともという言葉は、船舶がルーツだったのですね!
船舶以外の乗り物では、前後のことをどう呼ぶの?
前後を表す言葉は他の乗り物や業界でも独自の表現があります。ここからは、他の乗り物についても見ていきましょう。
航空業界:ノーズとテール
飛行機では、前方をノーズ(Nose)、後方をテール(Tail)と呼びます。ノーズは文字通り“鼻”という意味で、飛行機の先端部分を指します。一方、テールは“尾”という意味で、尾翼などがある後部を指します。飛行機が空を飛ぶ姿を想像すると、この名前にも納得ですね。

自動車業界:フロントとリア
車の場合はフロント(Front)が前方、リア(Rear)が後方です。フロントガラスやリアバンパーなど、日常的にも耳にすることが多いですよね。車が好きな方なら、この用語には馴染み深いかもしれません。

英語ではどう言うの?
ちなみに船の場合、英語では船首をBow(バウ)またはFore(フォア)、船尾をStern(スターン)またはAft(アフト)と呼びます。例えば、船首側のプロペラはBow Thruster(バウスラスター)、船尾側のプロペラはStern Thruster(スターンスラスター)といった具合です。
同じように、船尾側の係留ロープもスターンラインといいます。
おわりに
”まとも”の語源が船にあるとは意外でしたね。船舶の専門用語を普段使う機会は少ないかもしれませんが、ポートサービスのYouTubeや映画の航海シーン、旅行などの船内アナウンスで耳にすることがあるかもしれません。専門用語に注目しながら、ポートサービスのYouTubeもぜひお楽しみください🎵
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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