Blog
2024年09月10日 [横浜の通船・ラインボート ]
横浜の海上物流〜歴史と未来を紡ぐ航路の役割〜
はじめに
いつもポートサービスのブログを読んでくださり、ありがとうございます。
横浜港は日本を代表する貿易港であり、その海上物流の中心地として長い歴史を誇っています。今回のブログでは、ポートサービスの交通船が拠点をおく横浜港の歴史や海上物流を支える航路について詳しく見ていきます。
横浜港の誕生と発展
1859年、日本と世界をつなぐ玄関口として開港した横浜港。明治時代から大正にかけて港湾施設の整備が進むと、貿易や交流の中心地となりました。日本における国際貿易の拠点となり、産業の成長を力強く支えてきました。
海上物流の中心としての横浜
横浜港は東京湾の北西側に位置し、風向、風力、潮流等最適な条件に恵まれた良港となっています。自然条件によって荷役が制限されることが極めて少なく、安定的な港湾運営が可能です。
また、大型船が接岸可能な大水深も横浜港の特徴です。例えば、国内最大級の施設を誇る南本牧ふ頭は、1万TEU級以上の大型コンテナ船が入港することができます。
TEU(twenty-foot equivalent unit)とは、コンテナのサイズを基準にした単位のことをいいます。20フィート(約6.1メートル)長の標準コンテナを1TEUと表します。つまり、1万TEU級のコンテナ船は、最大で1万個の20フィート標準コンテナを積載できる能力を持ちます。
約6mというと中型バスと同等の大きさですから、それを1万個も積載できる船舶となると、かなり大きいことがわかります。具体的にいうと、全長は約300メートル以上、幅は約45メートル前後となることが一般的です。
また、2019年には南本牧ふ頭に世界最大級となる2万TEUの巨大コンテナ船が貨物を積んで初入港しました。これは国内でも初の功績となりました。
これほどまで大量の貨物を一度に輸送できるため、港にも高度な荷役設備が求められます。横浜港は周辺の道路や鉄道網も発達しているため、全国各地へスムーズに貨物を輸送することが可能です。コンテナ輸送の際の近隣道路の渋滞を避けるために1989年に建設されたのが、横浜ベイブリッジです。
また、横浜港は京浜工業地帯に近接しており、この地域の工業製品の輸出入を支える工業港としての役割も担っています。例えば、自動車や機械類などの産業製品が横浜港を経由して全国、さらには世界各地へと輸送されています。
横浜港は30年連続で○○の輸出量が1位?!
横浜港は自動車専用船の入港とその航路が多いため、貨物自動車の輸出量は平成元年以降30年連続で全国1位を維持しています。前述のとおり、大型船の入港に対応できる大水深であること、周辺の道路網が発達していたこと、自動車の保管に必要な広大な土地があったことなど、利便性の高さも“30年連続1位”を維持するのに寄与しています。
横浜航路と鶴見航路を中心とする海上物流
航路とは、船舶などが海上や河川を航行するための通路のことをいいます。航路が交わるところでは、衝突事故を防ぐため、管制信号などにより入出港船の通行を制御しています。
管制信号についてはこちらのブログで詳しく解説しています💁♀️
【航行管制信号の意味】アルファベットで知らせる海の信号
▲港を一望できる展望室や緑地公園があり、市民の憩いの場になっている
横浜港を代表する航路としては、南本牧ふ頭からベイブリッジを通過する横浜航路、鶴見つばさ橋を通過する鶴見航路が挙げられます。東京湾内での短距離輸送の他、国内外からの貨物を集積し、再び全国へ送り届ける拠点となっています。これにより、横浜港は日本の物流ネットワークの中心的な役割を担っています。
おわりに
横浜港では横浜航路や鶴見航路といった主要航路を通じて、国内外との物流が円滑に行われてきました。また、持続可能な港湾運営を目指し、環境負荷の少ない物流システムの構築が横浜市により進められています。
日本の海上物流の中心地として、ますます横浜港の発展が期待されますね。今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
ポートサービスの公式アカウントでは交通船や横浜の魅力を発信中!
💁♀️ブログ
💁♀️YouTube