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2024年11月26日 [横浜の通船・ラインボート ]

【船の裏側】知られざる船の給水に密着!山梨と横浜を結ぶ美味しい水とは

はじめに


いつもポートサービスのブログを読んでくださり、ありがとうございます。突然ですが、船舶で使われる水ってどのように給水しているかご存知ですか?今回は、横浜港を代表するレストラン船 マリーンルージュの給水に密着して、その裏側を紹介します。
ルージュと給水船▲右側白い船がマリーンルージュ、左側青い船が給水船

週1回の大規模給水


基本的に、マリーンルージュは週に1回給水を行います。週に1回のマリーンルージュの給水では、給水船による補給が行われます。給水船とは、給水施設のない岸壁に着岸している本船や沖で錨泊する船舶へ水を運んで給水してくれる船のことです。
給水 連結▲バージ船と押船の連結部分

給水船の名前はYHKといい、動力を持たないバージ船です。第二道志丸という船に押されて移動します。
※バージ船(艀船)とは、河川や運河、港湾内で使用される平底の船舶。重い貨物を積んで航行するために設計されています。

ホース 給水船▲写真中央に写る黄色い管がホース
さて、定員330名、総トン数683トン、全長52mを超えるマリーンルージュの空っぽになったタンクに、どのくらいの水が入ると思いますか?

答えは、なんと40トン!


40トンは、一般家庭に置き換えると4人家族の約1.6ヶ月分の使用量に相当します。かなり大量の水を1度で給水できることがわかりますね。

これほどの大量の水ですが、給水船に繋がれているのは意外なことにたった1本のホースです。消防車で使われるような布で覆われた太いホースによって、グングンと給水されていきます。このホースは、マリーンルージュ船内の地下にあるタンクへと繋がっています。
ルージュに繋がるホース▲取材時は、37トン前後の水が約50分かけて給水された

山梨と横浜をつなぐ美味しい水


横浜市の水道は、1897年(明治30年)に取水口を相模川の上流の道志川に移しました。これに伴い、道志村の森林が横浜市の重要な水源となりました。その後、この主要水源の保全のために、横浜市は大正5年(1916年)に山梨県道志村の山林を購入し、水源林として管理・保全を開始しました。

道志川は自然豊かな山梨県にあり、極めて良質な水として知られています。横浜市、そして横浜港の上水源として愛されています。

マリーンルージュでも、この道志水系の美味しい水が給水されています。船内では、調理はもちろん飲料水やドリンクに使われる氷にも、この美味しい水が使われています。
水 イメージ

船専用!水の自動販売機とは


基本的には週1回の給水で足りますが、足りない場合はどうするのでしょうか。そんな時は、大黒埠頭の給水所で補給します。
自販機全体
写真の四角い箱のようなものは、船舶自動給水販売機。なんとコインを使って給水ができるんです。海員生協で販売している専用のコインは、1枚で1トン給水できます。コイン▲コインに刻まれているのは船舶給水事業を手がける横浜はしけ運送事業共同組合様のロゴ
自販機▲普通の自動販売機のようにコインを入れる場所がある

給水するときは岸壁に船を着け、ホースをタンクに繋ぎます。太さの違う2本のホースがあり、大量の水を船に直接給水できます。混雑時には順番待ちの船が列を成すこともあるそうです!

おわりに


今回はマリーンルージュの給水に密着してきました。
マリーンルージュに乗船する機会があれば、美味しい料理とともに、船舶の水源を支える給水船、横浜港に美味しい水を供給してくれる山梨県にも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。

取材協力
横浜はしけ運送事業協同組合
レストラン船 マリーンルージュ

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