2024年09月03日 [横浜の通船・ラインボート ]
【マリンランプの歴史と役割】船舶の安全を守る灯火の重要性
はじめに
近年、アウトドアシーンでも人気を呼んでいるマリンランプ。レトロなデザインや屋外でも使用できる堅牢さが人気のヒミツのようです。
さて、そんなマリンランプは船舶の安全な航行を支える重要な装備の一つです。今回はマリンランプが航海の安全をどのように支えてきたか、その歴史や役割を紹介します。
マリンランプとは
マリンランプとは船上で使用される照明器具のことで、甲板や通路の照明、または作業灯として利用されます。屋外で使用されるため、耐水性、耐候性、耐久性を備えているのが特徴です。古くから船の甲板を照らし、夜間や悪天候時に船員の視界を確保するだけでなく、他の船舶や港への合図としても使用されてきました。
マリンランプの歴史〜灯りの進化〜
マリンランプの歴史は、古代の燭台から始まりました。最初は油を燃やす単純な灯りが使われていましたが、やがて鯨油ランプやケロシンランプが登場。技術の進歩とともにその姿を大きく変え、明るさや燃焼時間も飛躍的に向上しました。さらに、20世紀には電気ランプが登場し、エネルギー効率と照明性能が大きく向上しました。
ケロシンランプ:灯油(ケロシン)を燃料として使用するランプのこと。鯨油よりも安価で燃焼効率も良いことから、19世紀から20世紀にかけて広く使われていた。
船舶の灯火〜種類と役割〜
乗り物には、位置や方向、状態に関する情報を他者に提供するために、灯火の設置が定められています。船舶の灯火である航海灯は、その役割を果たすために設置されており、車で例えるならヘッドライトやテールランプに相当します。
例えば、車のヘッドライトが前方から迫ってくると、対向車が近づいていることが分かります。逆に、テールランプが後方に見えると、後ろの車がどこに位置しているかが分かります。
また、甲板灯や船内灯、緊急用ランプもそれぞれ重要な役割を果たしています。甲板灯は、船員が夜間に作業を行う際の視界を確保し、船内灯は船内の居住空間を照らします。緊急用ランプは、停電時や救難時に使用される重要な装備です。
色でわかる船の進行方向
船舶の両舷に設置されている航海灯は、船の進行方向を示すために色と設置場所が定められています。右舷側には緑色の灯火、左舷側には赤色の灯火が設置されており、これによって船の向きがわかります。
例えば、他船の左舷に設置された赤い灯火が前方に見える場合、他船は右から左へ移動していることがわかります。このように、色と位置で方向を判断することができるのです。▲照明の周りの黒い板は反射防止のために付けられています
航海灯は世界共通?
相手船の航海灯がどの方向に見えるか、どちらに向いているかを把握することで、衝突の可能性を判断します。そのため、全ての船舶が同じルールで灯火を設置する必要があります。
船舶に設置される灯火の位置や色、明るさなどは、国際的な『海上衝突予防法』によって定められており、この規則は世界中で共通です。これにより、異なる国の船舶でも統一したルールで航海灯が使用され、海上での安全が確保されています🌎😊
航海灯については、こちらのブログでも詳しく解説しています。
おわりに
今回のブログでは、船舶に設置されている灯火の総称としてマリンランプを紹介しました。
インテリアやアウトドアシーンでも人気のマリンランプですが、船舶においては安全な航行を守る重要な役割を果たしています。古代の簡素な灯りから進化を遂げ、これからも航海の安全を照らし続けることでしょう🎵
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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