2024年08月20日 [横浜の通船・ラインボート ]
【プロペラ交換】船底塗料の威力!燃費が変わる船のメンテナンス
はじめに
人間にも定期的なメンテナンスである人間ドックが必要なように、船にもドックが必要です。今回は、プロペラ交換のためにドックに入ったパイロットボート アルタイルの作業に密着してきました。普段は見ることができない作業の裏側を見ていきましょう。
ドックとは
ドックとは船の建造、修理、メンテナンスを行うための施設のことを指します。冒頭に書いた人間ドックも実は船のドックに由来するそうです。船舶のドックには浮きドックやドライドックなどいくつかの種類があり、それぞれ異なる目的や構造を持っています。
以前のブログでも紹介しているので、ドックの種類についてはこちらのリンクから過去ブログをご覧ください💁♀️【船のメンテナンスを大解剖】ドックの種類と船底の秘密とは?
上架と下架
上架(じょうか)とは船底のメンテナンスなどのために船体を水から上げることをいいます。逆に、船を下ろすことを下架(げか)といいます。今回のメンテナンスでは、アルタイルの船底にベルトを通し、移動式リフトによって吊り上げて上架されました。
このリフトは100トンもの船舶を吊り上げる力があるそうです。全長17メートルを超えるアルタイルがスイスイと海面から浮かび上がってくる様子は圧巻でした。ぜひ動画もチェックしてみてください✨
ドックで燃費が変わる?
常に水と接している船底にはどうしても海藻や貝が付着してしまいます。そのため、定期的に船底やプロペラの掃除をしないと、抵抗が増して、燃費にも影響が及んでしまいます。
そういった理由から、船底には汚れや貝が付きにくくする塗料が使われています。この成分に含まれる亜酸化銅が赤みを帯びた色をしているため、船底塗料にはその成分となじみやすい赤い塗料が多く使われています。喫水:船舶が水に沈む深さ▲使用頻度の少なかったサイドスラスターにも牡蠣殻が付着
今回のドックで驚いたのは、その効果。船底塗料が塗られているところ(アルタイルは黒い塗料)と通常の塗料で書かれた喫水を示す数字の部分では、牡蠣殻の付き方に差がありました。同じように海水に浸かっていても、塗料が違うだけでこんなにも差が出るのですね。
プロペラ交換
今回のメンテナンスでは、プロペラの交換が行われました。一見すると違いが無いように見えますが、プロペラの角度が若干変化してより燃費が良くなりました。ちなみに、プロペラにも防汚塗料が使われています。▲慎重に取り外されるプロペラ▲左側が新しいプロペラ
おわりに
パイロットボートアルタイルは海の安全を守る水先案内人さんの送迎のために活躍しています。株式会社ポートサービスは常に高品質で安全な業務を心掛け、これからも運航を続けてまいります。詳しい業務内容はこちらをご覧ください。今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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