2024年04月02日 [横浜の通船・ラインボート ]
【進水】ホントは怖い⁈船の儀式に迫る
はじめに
いつもポートサービスのブログを読んでくださり、ありがとうございます。
ポートサービスは1953年に設立し、半世紀以上にわたり船舶の東京湾への入出港をサポートしてきた会社です。パイロット船・交通船等のオペレーション業務のほか、入出港船の繋離船作業や海上警戒業務も行っています。
このブログでは、働く船の魅力を知ってほしい!という気持ちで、船にまつわる記事を発信しています。そんなワケで今回は船が誕生する瞬間、進水に迫りたいと思います😊
進水とは?
進水とは、新しく造られた船を初めて水に浮かべることをいいます。
進水というと、新しい船が大海原へと出発していく門出というイメージを抱いている方も多いのではないでしょうか。しかし、大型船などの場合は船殻(せんこく)が完成したあとに、艤装(ぎそう)と呼ばれる主機関の取り付けや船室の様々な工事を経て、竣工となります。
船殻:船の骨格と外殻を形成する構造主体。
また、性能試験なども進水後に行われるため、進水=すぐに航海が始まるというワケではありません。進水後に、その船舶を操縦する人が操縦しやすいように調整を進めることもあります。
造船については過去の記事もご参照ください。▲造船中のパイロットボートの進水ももうすぐ!
ほんとは怖い進水式?!
家を建てるときに餅投げなどの神事が行われるように、船が進水する際にも儀式が行われることがあります。ここからはその一例を紹介します。
進水の瞬間に、船の船首に向かってシャンパンのボトルを割るという儀式をご存じでしょうか?この儀式には船や船員の安全への祈りが込められています。
さて、進水式でシャンパンを割る行為。この起源はなんと海賊にあるんだとか。かつて、海賊たちは航海の安全を祈るために、人間をいけにえとして捧げていたといいます。その風習はやがて進化し、血を連想させる赤ワインを進水式に使うようになり、長い時を経て、赤ワインは白ワインやシャンパンへと変化したそうです。
それほどまでに安全を願うのは、船が海に出るのは命がけの行為だからでしょう。船舶の歴史は乗り物の中でも長く、カヌーや小さな筏のようなパドルを用いる船を含めると、数万年の歴史があると言われています。
現在のように、ディーゼルエンジンを積んだ船の歴史はわずか数百年ほど。GPSによる通信網や安全装置が発達したのも近年です。
推進力をオールや帆に頼る、古代の船が大海原へと出ていくのは命がけの行為だったことは容易に想像がつきます。それにしても、人間をいけにえに…とは少々怖い話ですね。
おわりに
今回は船が誕生する瞬間、進水について紹介しました。ちなみに、進水式の際に割るお酒の種類に厳格な決まり事はないので、ワインやシャンパンの他に、ウィスキーや日本では日本酒を使う場合もあるそう。また、漁船などは災いを払うための神事、餅投げを行うこともあるそうです😊
これまでにもお伝えしてきたパイロットボートの進水の様子はYouTubeでもご紹介する予定ですので、ぜひそちらもお楽しみに!今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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