2024年02月20日 [横浜の通船・ラインボート ]
【GPSコンパス】船舶が方位を見失わずに航行できる理由とは/方位磁石のルーツは占い?
はじめに
先日ご紹介したAISですが、どうして方位までわかるのでしょうか?その秘密は、船の上に搭載されたアンテナ。船の上でクルクルと回っているアレです。
今回は高性能のGPSコンパスから、古代中国の歴史まで深掘りしていきます!
方向を検出する!GPSコンパス(サテライトコンパス®)の仕組みとは?
複数のGPSアンテナを用いてGPS電波の位相差測定により、高精度に船首方位を検出する装置です
方位測定の歴史
さて、正確な方位を検出してくれるGPSコンパスですが、その技術がない時代はどのように方位を測定していたのでしょうか?
方位を測る道具としてポピュラーなのが、地球の磁場を利用する磁気コンパス。
端が磁化された針は軸を中心に自由に動くことができます。磁化された一端は地球の磁場に引かれて北を指し示す。
地球の磁場を利用するというシンプルな磁気コンパスは古くから、航海、登山など方向を知るための道具として広く利用されています。
磁気コンパスのルーツは、古代中国の占い?
磁気コンパス=羅針盤のルーツは中国で古くから風水に使われてき た羅盤(らばん)だと言われています。らばんとは、家の向きや、その立地環境を計測するための道具。
この羅盤に磁針(磁化された針)を取り付けたのが羅針盤です。約6000年前(新石器時代)西安で発見された遺跡では、住居の出口がすべて南向きになっていたとか。この頃からすでに方位の知識があったなんて、中国の歴史ってすごいですよね。
その原型は、魚の形をした木片に、天然磁石や磁針を 取り付け、水に浮かせて方位を知る、指南魚と呼ばれる道具だったといいます。やがて、指南魚はアラビアの商人からヨーロッパに渡り、現代でも用いられている磁気コンパスへと進化を遂げました。
陸上や近海での流通・輸送が可能だった中国に比べ、ヨーロッパはアジアの香辛料やアメリカ大陸の金銀などを得るため、長距離の航海が必要だったといいます。コンパスの技術がヨーロッパで大きく進化を遂げたのは、地理的理由も大きかったようですね。
おわりに
20世紀に入ると、電子技術の進歩により、方位磁石の精度や機能が向上しました。さらに、1970年代から1980年代にかけて、GPS(Global Positioning System)が開発され、衛星からの信号を利用して位置情報を提供する技術が実用化されました。これにより、船舶や航空機はより正確な位置情報を得ることができるようになったんですね🎵
今回はGPSコンパスから、その歴史をさかのぼってみました。GPSコンパスを利用した自動識別装置、AISについてはこちらのブログもご参照ください😊次のブログもお楽しみに。