2023年10月03日 [横浜の通船・ラインボート ]
【軽い!強い!FRP】パイロットボートの船体積層がはじまります!『パイロットボートができるまで#4』
はじめに
いつもポートサービスのブログを読んでくださってありがとうございます。パイロットボートの造船の過程を追ったのポートサービスのYouTube『パイロットボートができるまで』はご覧いただけましたか?今回は、第五回の船体積層の様子を解説を交えてご紹介していきます。
※動画と一緒に見て頂くとわかりやすいです😊
動画はこちらから☟
【軽い!強い!FRP】パイロットボートの船体積層がはじまります!『パイロットボートができるまで#4』/How the Pilot Boat Was Built.
船体積層とは
船の土台となる型枠ができあがると、いよいよ船体積層作業が始まります。船体積層は、型枠完成➡離型剤の塗布➡船の色となるゲルコートの塗布➡FRP積層という複数の工程を経て、完成します。つまり、船の色であるゲルコート(船の色)は、船体積層の時点ではミルフィーユやタルト菓子のようにサンドされているため、型枠から取り外すまで船の色を見ることはできません。
FRP船の船体積層は、ガラスマットと呼ばれるガラス繊維のシートに樹脂を含浸させ、積層していく工程です。これによって、FRPと呼ばれる強化プラスチックが作られます。FRPは軽量でありながら耐久性があり、船舶のほか、身近なものだと車のバンパーなどにも利用されています。
▼積層とは?
▼ガラスマットを置き、樹脂を塗布していく。積層作業はスタッフ総出での大仕事です😊
▼硬化したFRP(強化プラスチック)はカチカチ!
脱泡とは?
積層したガラスマットにできた気泡を抜く泡脱。この作業泡は船体積層の工程でも重要なポイントの一つ。1層目に空気が残ったまま硬化してしまうと、2層目以降でどれだけ丁寧に脱泡しても表面に穴として出てきてしまいます。また、樹脂の均一性は船体の強度にも影響します。
▼積層したガラスマットにできた気泡を抜いていく
バルバスバウ船首の突起、波けしの役割があるバルバスバウは、足場が組まれた状態では、うまく積層することができません。凹凸がある上、足場のない不安定な状態でガラスマットを貼らなければいけないため、特に難しいそう。
Wikipediaより引用CC 表示-継承 3.0, リンクによる
▼不安定な状態でガラスマットを貼らなければいけないため、特に難しい作業
▼底面に船の骨格となる構造材が入り、サンディング
おわりに
積層作業を終え、船の骨格が入ると船体を型枠から外す脱型の工程が始まります。冒頭でお伝えしたように、型枠から外すことでようやく船体の色を見ることができます。次回のYouTubeではこの脱型を紹介しますので、『船の色は何色になるの?』と気になっている方は、ぜひお楽しみに!
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シリーズ 『船ってどうやって造られるの?』
#1 造船のプロセスと革新的なFRP船の特徴
#2 船造りの真髄『現図』と『型枠』とは
#3 船の本体 船殻づくり
#4 職人の手仕事が織り成す美学!船の型枠ができあがるまで
#5 FRP船の本体積層工程とゲルコートの特長に迫る!
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