2023年08月08日 [横浜の通船・ラインボート ]
FRP船の本体積層工程とゲルコートの特長に迫る!【#5 船ってどうやって造られるの?】
はじめに
いつもポートサービスのブログを読んでくださり、ありがとうございます。これまで、FRP船の造船工程についていくつかの記事を紹介してきましたが、今回からいよいよ本体に関する話題をスタートします😊
✅FRP船の造船のプロセスについては☞こちら
✅前回のふりかえりは☞こちら
本体積層
船の土台となる型枠が完成すると、いよいよ本体積層が始まります。FRP船は型枠、本体積層、型から外すという工程を経て完成されるため、鋼船とは造船の工程が大きく異なります。
本体の積層は、まず、型から外しやすくするための離型剤の塗布が行われます。
その後、ゲルコートと呼ばれる特殊な塗料が船体の外部に均一に塗布されます。ゲルコートは耐候性や耐薬品性に優れ、船の外観を美しく保護します。この段階で船の見た目が整い、滑らかな光沢を持つようになります。これが船の色となります。
☝上の写真はすでに型から外した別の船のデッキ部分です。白く見えているところが、ゲルコートです。
☝こちらの写真はゲルコートを塗布する作業中のものですが、色は型を外してからのお楽しみ…ということで👍
ゲルコートの塗布を終えてからガラス繊維を積層していくため、型を外すまでは本体の色は見られません。ワクワクしませんか❓😊
ゲルコートの特徴
ゲルコートは塗料やコーティングの一種で、船体を保護し、美観を向上させる役割を果たします。主な特徴は▼
🔶 耐候性:日光や塩水などに強く、船体を保護する。
🔶 耐薬品性:薬品や燃料に対しても耐性があり、外部のダメージを防ぐ。
🔶 高い光沢と美観:滑らかで美しい仕上がり。船の見た目を向上させる。
🔶 カスタマイズ性:色の自由度が高く、個性的な船造りを叶える。
🔶 軽量で強固:船の速度や燃費に影響を与え、耐久性を高める。
🔶 修理が可能:小さな傷や損傷を簡単に修復できる。
ゲルコートはその特徴を生かし、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)船の他、自動車、プール、ユニットバス、風力タービンなどの製品に使用されています✨
おわりに
ゲルコートは通常、液状の状態で船体に塗布され、硬化させることで表面に固化します。これにより、船体が均一な外観を持ち、長期間にわたって耐久性を保つことが可能となります。
ゲルコートのおかげで、長寿命で美しい船の外観を維持することができるんですね👍
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