2022年11月29日 [船の豆知識]
灯台に赤と白があるのはなんで?【灯台の種類と目的】
◆はじめに◆
海辺の景色をイメージするときに灯台が思い浮かぶという方も多いと思います。夜の海をピカッと照らす灯台。色や設置場所で目的が違うって、ご存じですか?これまでに紹介した航海灯や法定備品に加えて、今日は船の航行に欠かせない灯台について紹介します💁♀️
◆灯台って何のためにあるの?◆
灯台は岬の先端や港湾内に設置され、船舶が航行する際の目印となっています。塔状の建造物で、最上部には遠方からでも識別可能な強力な光源が設置されています。
遠くまで届く強い光源が、船舶の安全を守っているのですね。
◆灯台の種類◆
灯台は設置場所により、沿岸灯台と防波堤灯台の2種類に分類されています。
1つめは船舶が陸地や主要変針点、又は船の位置を確認する時の目標となる沿岸灯台、2つめは港湾の所在や港口などを示す防波堤灯台。
わかりやすく言うと、沿岸灯台は陸の目印、防波堤灯台は港の目印という感じですね。
◆灯台には、白い灯台と赤い灯台があるのはどうして?◆
港をよく観察していると、赤い灯台と白い灯台があることに気づきます。『え、そう?』と思われた方も、どうか最後までお付き合いください(笑)
前述したとおり、防波堤の先端に設置された灯台は港の入口を意味しています。そして、海から陸に向かって右側に赤い灯台、左側に白い灯台が設置されています。これは航路標識法で定められ、世界共通のルールです。国によって違う色を表示していたら、外航船は迷ってしまいますもんね💦
詳しくは航路標識法施行規則 | e-Gov法令検索をどうぞ。
◆横浜港のシンボル!赤灯台・白灯台◆
お待たせしました。ここからは、わたしたちポートサービスが拠点を置く横浜港の防波堤灯台を見ていきましょう。Googleマップ
❖赤灯台 横浜北水堤灯❖
横浜港北水堤の先端に建つ赤い灯台が横浜北水堤灯台(よこはまきたすいていとうだい)。初点灯は明治29年5月16日。関東大震災や戦火を乗り越え、東京湾最古の灯台として現在も活躍しています。ポートサービスの観光船マリーンルージュやシーバスからもよ〜く見えます👀
❖白灯台 旧横浜東水堤灯台❖
横浜港北水堤の先端に建つ赤灯台とともに建設された白灯台。昭和33年4月の客船カロリナ号の衝突事故により、水没。赤と白の灯台を設置することは国際的に定められたルールのため、事故の2日後には仮設の白灯台が設置されました。
この時の白灯台は事故後に引き上げられ、昭和38年10月に氷川丸の横に移設。2010年のリニューアルを経て、現在は山下公園のシンボルとなっています。
◆おわりに◆
灯台の上部からキラっと光る灯りが、今日も船舶の安全を照らしています。横浜港の入口を示す横浜北水堤灯台(赤灯台)、旧横浜東水堤灯台(白灯台)はどちらも山下公園から見ることができます。近くに立ち寄ることがあったら、ぜひ見てみてくださいね🎵もちろん船の上からでも😉
資料引用
旧横浜東水堤灯台
横浜北水堤灯台