2022年10月11日 [船の豆知識]
【便宜置籍船とは】パナマ船籍が多いのは、なぜ?
はじめに
ニュースなどで、「パナマ船籍の船が…」なんてフレーズを聞いたことがある方も多いのでは?日本に住んでいながら、なぜパナマの船の話題を耳にすることが多いのか…??今回はそんな謎を解き明かしたいと思います😊
船籍とは?
その名の通り、船舶の籍のことで、人で言うところの戸籍に相当します。そして、本籍に相当するのが船籍港。
船籍港はどのように定められている?
日本では船舶法の規定により、船舶所有者の住所地に船籍港を置くことと定められています。そして、登録により船籍を得た船には船舶国籍証書が交付されます。
ちなみに船籍港の名前は船尾の船名の下に記載されています。どこの国の船か見分けるには、船尾を見ればわかるんですね✨
便宜上の国籍◆便宜置籍船とは?
公海上では、船舶には属する国の法律が適用されます。そして、船は船籍国の法律に従って税金を納めたり、資金を調達したり、規制に則って船員を雇ったりしています。つまり、船の所有者はより条件の良い国に、船籍を置くのが有利というわけです。そのため、外航船などではペーパーカンパニーを置いて、外国籍を取得するケースも多いと言われています。
このように便宜的に外国に置いた船舶のことを、便宜置籍船といいます。
船籍にパナマが多いのは、なぜ?
ではなぜパナマ船籍の船が多いのか…。その主な理由は人件費。多くの国では、自国の船舶には自国の船員を乗せることを義務づけています。つまり、先進国に船籍を置くと、人件費が高くなってしまいます。しかし、パナマなどでは自国の船員を乗せることを義務付けていないため、人件費を抑えながら船員を確保することができます。
その他にも、パナマでは船に掛かる税金を優遇したり、サービスを拡充を図り、外国からの船舶の登録を誘致。税収入を得ることで、国の経済拡大にも役立っています。ちなみに、世界三大便宜置籍国と言われているのは、パナマ、リベリア、マーシャル諸島。タンカーなどの商船はパナマ船籍が多く、旅客船はバハマ船籍が多いようです。
おわりに
パナマ船籍が多い理由が少し見えてきましたね。ちなみに、日本では、日本籍船の約5倍にも及ぶ便宜置籍船を保有しているとも言われています。
この保有量は世界でも2番目に多いそうです😊
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。次回のブログもお楽しみに🎵
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資料引用
船の戸籍「船籍」について 〜便宜置籍船とは〜
便宜置籍船とは - コトバンク
「パナマ船籍」なぜ多い 船籍をあえて外国へ 世界をまたにかける外航海運業の戦略とは | 乗りものニュース- (2)